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+ 第五話『 とっても深い”心の闇” 』 +
「・・・で、全員、集まったか?」
そう声を掛けたのは自分、月臣 元一郎だった。
ここはナデシコCの食堂。そこには全部で10人あまりの人間が鎮座していた。
今は例の事件から約3日が経過したとある昼。
その間、いろいろなことがあった。
リョウコ君と楓は、多少の外傷が見られたために療養。
事実を聞きたくてたまらないといったクルーも多数居る中、何とか今日まで待ってもらったのだ。
そう、彼―ゲイル=テンイの回復まで。
ゲイル君の精神的疲労と、肉体的疲労はかなり深刻レベルまで達していたらしい。
それも、たったあの戦闘だけで。
その様子には流石にイネス女医も頭をかしげていたが、取りあえず絶対安静といい治療していたのだった。
その間、ユリカ君とルリ君は過去のテンカワ君のことがダブったのか、かなり沈んでいた様子だったが。
北辰との………一騎打ちの戦闘に。
「すみません、皆さん。その…心配掛けてしまって……」
私の言葉からまもなく、ゲイル君が申し訳なさそうに言葉を紡ぐ。
彼はまだ万全ではないにしろ日常生活が可能なレベルまでは回復していたのだった。
そんな中、取りあえずこの前のことをおさらいしておこう、そう言うことで集まってもらったのだ。
それに、この話はゲイル君にも関係していることなのだから。
「……今日集まったのは他でもない。この前の敵、ホワイト・レイスの搭乗者のことだ」
辺りは沈黙。俯いているものも何人かいる。
その後ろで、暗い顔をしている楓。ポーカーフェイスの楓が、ここまでやつれている姿を、私はうまれて始めてみた。
「…ネルガル企業が氾濫直後から追ってきたあの少年、草壁 昇竜という人物について話しておこうと思う」
そう、話し始めた。
実際、何から話し始めて良いやら分からないが、知っていることは全部話すつもりだった。
勿論、会長の許可は取っていない。非公式な、機密の暴露。
しかし、これ以上ナデシコクルーを巻き込んでおきながら、隠し通すのも無理だと、良心が判断したためだ。
プロスさんは、その決断には無言の答え。報告すれば、私という存在の抹消は免れないだろう。
しかし、それでも…………。
しかし、彼らには知る権利がある………。そして、彼、にも・
そう決意して、第二声。
「単刀直入に言う。今回のナデシコCの派遣の元の原因としては、テンカワ=アキトの捜索と、彼、草壁 昇竜の行方の特定の二つの目的があった」
草壁昇竜と聞き、楓はびくっと肩を振るわせる。
その様子に気づいたものがいるのかは分からないが、誰も戦闘だって楓を咎めはしなかった。
「じゃあ、知ってたんだな……あいつが……あんなヤツがいるってことを………」
リョウコ君が静かに、そう述べる。しかし、その発言には怒りは篭っていない。
単純な、確認。
「ああ、当初、ネルガル独自で追っていたのだが、発見できなくてな。勿論、彼の実力のことも知っていた」
最早隠す必要もない。一気に言ってしまう。
そもそも、あのお方の探索は、木蓮軍のバッドイメージを払拭するためにも、そして”木蓮戦争”を終わらせるためにも、欠かせないものだ。
そう、あのお方が生きている限り、戦争は終わることはありないのだ。
「だからの………俺たちなのか? こんな、月臣とか楓まで巻き込んでの………最大戦力を結集した?」
続けてリョウコ君の発言。
その発言に少しの間をおき、
「いや、違う。この人員は、単純に”テンカワアキト”の戦力を見ての、編成だ」
静かに首を振る。そして、それは事実なのだ。
その後ろ、ミスマル・ユリカ艦長が暗鬱とした表情でこちらを見ていた。
「当初、草壁 昇竜というのは普通に”注意人物”に過ぎなかった。だが………」
私がそこまで言いかけて、とある人物の言葉に遮られる。
「草壁中将の氾濫、そして、草壁・山崎の奪取、それにより、事態は急変したのですよ」
ネルガルシークレットサービス所属のプロスさんが眼鏡をくいっとあげながら代弁してくれる。
これが……ネルガルシークレットサービス切っての”やり手”、プロスペクターの真の姿……。
眼鏡の置くには、冷たい瞳。
緻密で計算尽くされた”計画”は、何者にも破ることが出来ない。
いや、破れたとして”破ったことすら計画の一部”であるなんていうことは、多々だからだ。
そして、そのプロスさんも、流石にこれ以上の情報の隠蔽が無理と判断したのか、語ることにしたようだ。
それは私にとってもありがたい。
最早味方ではないとはいえ、過去、共に同じく木蓮を守ってきた戦士を売るような真似はしたくなかったためだ。
勿論、それは偽善だと、理解はしている。
「…ネルガルはすぐに、戦線を張り、彼の行方を突き止めようとしました。その矢先、2人が脱獄する………」
一回そこで言葉を切ると、くるっとゲイルの方向を向く。
「そして、彼が保護された……。あの、支部の前で倒れていたというのは事実ですからな」
それから先は、私が口を開く。
「とにかく、ネルガルでは君を、テンイ君を”事件”の関係者…つまり、草壁の関係者と見て、保護とは名ばかりの監視をしていた、というわけだ」
彼を、見つめる。彼は、そんな私の目に、少しの怯えの色を浮かべたまま、答えた。
その瞬間、それを聞いていたクルーの目に、確かに憎しみの色が見えたことは言うまでもないが。
その視線を甘んじて受け入れる。
どういう形であれ、私は”仲間を疑っている”のだから。
「どうして…そんなことを……っ! ゲイル君が………かわいそうではないのですか!!」
ユリカさんが、反論してくる。
だが、それに反論したのは以外にもゲイル君だった。
「いえ、それをお願いしたのは、僕です……ユリカさん」
「え…………それって…どういう………」
その言葉に沈黙せざるを得ないユリカ艦長。
「……何か、思い出したのですね? ゲイル君…?」
プロス眼が鋭い目でテンイに対して聞く。その視線を受け、重々しくテンイはうなづいた。
「思い出したのも、最近なんですけど…保護してもらったのは、本当です…」
流石に他のクルーにもその言葉は以外だったらしく、眼を丸くしている。
「自分が、怖かった。自分が誰か分からない自分自身が、怖かったんです。だから、ボクの居場所を与えてくれるといったアカツキさんに、頼んだんです…」
「…なるほど、偶然じゃあ、なかったわけ、か?」
ミナトさんがふ〜んっといった感じで答える。
「それに、ボクは思い出しました。僕は………………」
そこで、一回目を瞑り、何かを考えるようなジェスチャーをするテンイ。
その動作に一同が首を傾げる。お互いを見合わせた。
「”作られし”人間…………です……………」
そう、抑揚のない声で、言葉を紡ぎだすゲイル君。
誰も、言葉をはさまない。いや、はさめないといった感じだった。
「山崎の手によって作られた………”人形”に過ぎないんですよ………僕は…」
そう、はっきりといった瞳には悲しみは一切ない。あるのは一つ、憎しみ。
「作られた………って、君はアキト君とは別の遺伝子パターンをしてたって…………」
ミナトさんがそういいながら、横に座っているイネスさんのことを見る。
「そ、それにそれに、あのぉ…その、時間とか?!」
その発言に便乗するように答えたユキナさん。
「いえ、確かに僕はテンカワさんとはパターンは違うでしょうね。それは………」
と、ユリカさんの目をじっと見据え、次の更に驚愕させられる真実を、口にした。
「テンカワさん、北辰、昇竜そして……ユリカさん。貴方の良性遺伝子を混ぜて作られた………合成人間なんですよ」
あたりの空気が固まった。
流石……マッドサイエンティスト山崎。
人を人とも思わぬ所業。
私は再び、胸の奥に山崎への憎しみが膨れ上がっていくのを感じた。
「ユリカさんは、僕の母親にあたりますね………そう言う意味では」
ゲイル君は、自虐的な笑みを浮かべながら、悲しげに言った。
「でも、ご心配なく…。ボクが生まれたのは、それこそ木蓮戦争が始まる前です…。そう、丁度、火星プラントの事件があった、あたりですね…」
「プ、プラントって…!! そ、そんな…アノ頃には、まだボソンジャンプなんてものは存在しなかったはずよ! だって、私は、だって……」
わなわなと震えるイネスさん。
それはそうだろう。彼女にとって、プラントの事件は、トラウマに近いのだから。
「タイムスリップでもしない限り、無―――」
「だからしたんですよ、”彼”は。」
絶句する。
イネスさんも、自らが言っていて、気づいたのだろう。途中で発言を中止する。
「…月臣さん、ご存知ですか? 木星の、第7工区にあった、特殊軍備実験場のことを」
いきなり、テンイ君が私の方へと向いた。
「…知っては、いる。しかし、あそこは軍の最高幹部のみの機密地区。それに、木蓮戦争が始まる1年前に解体されたはずだ」
「………そこで、ボクは生まれました」
唖然とする皆。ぐっと、唇を噛み締めるようにして険しい表情をする、ルリさん。
「…試験管の中で、ボクは育ちました。昇竜も、一緒です。他にも、4〜5人ほど、居ました…いや、”人”じゃないかもしれま―――」
「―――やめてくださいっっ!!」
険しい表情のまま言い放つ、ルリさん。
それを聞いてテンイ君は泣いているのか笑っているのか、半分半分が混ざったような、フクザツな表情をした。
「…やめて、ください…」
「ル、ルリちゃん!!」
ふらり…と倒れこむルリちゃん。
それを、後ろから支えるユリカさん。
それを悲しそうに眺めながら、テンイ君はフクザツな表情をしていた。
「………なるほどね、それでやっと説明がついたわ」
すっと椅子から立ち上がり、イネスさんは言った。
「君が”火星”の人間特有のボソンジャンパー体質ではないのにボソンジャンプ可能な理由が」
「え……でも、ボソンジャンパー体質じゃないのなら、ジャンプは不可能ではないんですか……」
私、月臣 楓はふと疑問に思ったことを口にする。
昇竜のコトや今述べられていることは、私もネルガルに居ながら知らない事実ばかりだった。
これが、ネルガルの最高機密。
草壁……昇竜………。
そう、唯一無二の、友人であり、私にのみ心開いてくれた唯一の男性。
影の象徴でありながら絶えず幸福や希望を目指していて、とても未来性に満ちた少年……。
私の、大好きな人物―――そんな少年が…………何故っ?!
「…ボソンジャンパーである条件というのが、”遺跡へ自分の意思を伝達できる機能を持つ人間”のことを指すの」
と、そこまで考えイネスさんの言葉に現実に戻される私。
「で、そのイメージをどこまで鮮明に遺跡に伝達できるか、つまり伝達精度においてA級、B級、C級にランクされる……。テンカワ君は、例外ね。アレは特例のS級ジャンパーといっても過言ではないから」
と、そこで一言分の沈黙。
「つまりは、自分のイメージを誰かを媒体として伝えたとしても、ジャンプは可能。ただ……その場合、多少の人体改造が必要ってことね」
最後の部分になると、流石にイネスさんも言い出しにくかったのか、かなり意気消沈気味に言う。
「…ええ、イネスさんが言った通り、翻訳専用に改造を受けた人物を介し、ジャンプできます。ラピスと同じ、頭に埋め込んだ超小型の集積回路によって意思をそのまま疎通して…」
人間翻訳機……ボソンジャンプ思考伝達処理演算翻訳機………。
人間のイメージをより遺跡に伝えられやすくするための、人間。
そのための……A級ジャンパーであり、そしてそのための………。
―ミスマル ユリカ―
ユリカさんは、過去、飛行機事故で死亡したと見せかけ、山崎らに囚われとなる。
その場でテンカワさんは”A級ジャンパー”の条件を発見するため、身体を………ぐちゃぐちゃにされる。
テンカワさんから聞かされた過酷………というか、狂ってしまいそうな、いや狂ったほうが楽と感じる実験の数々…………。
思い出しただけで、悲しくなってくる。
テンカワさんは、それでも狂わず、何とか自分を保ち続けます。
―復讐―
ただ、それだけのために。
そして、ユリカさんは人間としてイメージを遺跡により伝えやすくするための”人間翻訳機”として、遺跡と強制的に融合させられ、2年過ごす。
そう、2年もの間……彼女は夢を見ていたのです。
悲しい………夢を。
「じゃあ……また、私みたいな人が…………居るってことなの?」
悲しそうな、そして辛そうな声で声を絞り出すようにして出す、ユリカさん。
「……そう言うことになるわ…そして、遺跡はすでに敵の手の中にある」
イネスさんが、過酷にも、残酷に言葉を発した。
「くそぉっ! また……あんなことをしてやがんのかよ!!!」
リョウコさんが思いっきり机を叩きながら、崩れ落ちます。
私も視線を下に向けつつ、彼のことを思います。
昇竜……今、どこで……なにを……………。
「ボクは、チップを埋め込まれながらも、適正が、ありませんでした。ですから、捨てられた…そのときに、おそらく記憶を消されたんだと、思います…」
ゲイル君は、最後にそう締めくくったのだった。
「………ちょっと、良いでしょうか? 少し場違いなのは、承知の上です」
と声を上げたのは私、ホシノ=ルリだった。
気丈な態度とは裏腹に、顔色は真っ青に近い。
それでも、きりっとした表情でこちらを真剣に見つめていた。
「なんだい、ルリちゃん?」
元一郎さんがこっちを向きながら尋ねてくる。
「この船には、例のハイ・ディストーション・フィールド以外にもたくさんのオーバーテクノロジーが搭載されています」
いきなり、何を言い出すのかと思えば、このナデシコのことだった。
「ああ、確かにな〜。整備半の俺たちですら、知らないんだぜ、あのキカイはよ」
今までウリバタケさんが、そこで突然口を開く。
それに大して頷いた私は、さらに元一郎さんへ追及する。
「エステバリスについていた例の”ディストーション・ブレイカー”も同様ですが……こんな、最先端技術の先を行くような技術を、誰が?」
「ね、ねえ、ルリルリ。今はそんなこと……」
ミナトさんが私を止めようとする………より早く、その質問にはプロスさんが答えてくれる。
「それは、アキト君と一緒に居る例の少女、ラピスって言う子が提供してくれた技術なんですよ」
やはり。
これも………アキトさんが。
そして、私と同じ、いや、私以上の知能指数を持つ人間のブラックテクノロジーの宝庫、マシンチャイルドの手によって………。
少し、悔しい。私は、ラピスよりも劣っているのでしょうか。
「ハイ・ディストーション・フィールドはIFSオペレーター…つまりは、ルリさんみたいな体質の人のイメージの強さをそのまま強固なディストーションフィールドに再現する装置です」
そして、その結果が、グラビティ・ブラスト直撃にも関わらず無傷……というわけですか。
実際、あの時は取りあえず”壁”をイメージしたため、もっと別の使い方も出来るのかもしれない。
「他には、グラビティ・ブラストBと、完全相転移砲、さらに先ほど出た”ディストーション・ブレイカー”なにかも全てそうです」
「じゃあ、例の……」
しかし、私が次の言葉を言おうとしたとき、
「ルリルリ! 今は………そんなことどうでもいいでしょ!」
ついに、ミナトさんの堪忍袋の尾が切れ、怒り出す。
しかし、今回は私も負けじと言い返す。
「関係あるんですっ!! ミナトさん、あの技術は……………敵も持っていました。D.B.<ディストーション・ブレイカー>は敵も装備していましたし」
そこまで聞いて、あ…という声を口にするミナトさん。
「ラピスが…あの子が、もはや木蓮…いえ、火星の後継者達なり、その意思を継ぐものに手を貸すとは、考えれません。となると、私のハッキングを防いだのも、そして、技術を作り出したのも、別の”マシンチャイルド”が居ると……」
そこまで私が居た点で、とある人物が口を挟む。
ゲイルだった。
「ルリさん、察しの通りです。持ってて当然でしょうね…何故なら、そのオーバーテクノロジーを作ったのは…彼、草壁 昇竜本人なんですから」
……予想が、的中した。
「彼、昇竜は、ボソンジャンプ耐性、マシンチャイルドの頭脳、そのたもろもろの”超人”たちをあわせて作られた、山崎博士の”最高傑作”なんですから…」
「昇竜は、草壁って苗字の指している通り、例の草壁中将の、実の息子です」
と、ゲイル君に続いて言葉を紡いだのは、楓だった。
私、月臣 元一郎は少し驚き、自分の妹を見る。
この子が、昇竜の存在を知るはずは………?
と、そんなことを考えながら妹の顔を見ていると、くすっと楓は笑って、
「私は、元草壁春樹直属のエステバリス隊『華月』のサブリーダーですよ? 草壁の隠し子と……会ったことがあっても、可笑しくないでしょう?」
そう、悲しげに笑った。
これは良そうだが、楓は、おそらく昇竜と―――
「………とにかく、その昇竜という人物が、今回の全ての元凶って訳かい………」
リョウコさんが勢い良く立ち上がる。
その反面、楓は一層悲しげな表情になってしまうが。
他の人物は、各自複雑な顔をしてしまって、そんな気力もないようだ。
ネルガルが隠していたあまりにも大きな秘密。
そして、ゲイルの真実。
さらに……ナデシコCの真の意味。
それらを一気に暴露してしまったのだから………。
「あぁぁ〜もう、辛気臭いなぁ! てめぇら、もっとなぁ……っ!?」
と、そこまでリョウコさんが罵声を浴びせようとして、止まった。
前の前に、行き成り通信が繋がってきたためだ。
画面内には…知らない少年。
いや、確かナデシコCの発射のとき、確かお見送りに来ていた………少年だろう。
『大変ですよ〜艦長!!!』
その少年は空気も読まず、あたりの状況お構い無しでルリ君に話しかけているようだ。
「……ハーリー君、お久しぶりです。元気でしたか?」
『あ、はい、こっちはとっても元気で健康に……って、そんな話している場合じゃないですってば!!!』
一瞬だけルリ君にペースを奪われながら、何とかそれを脱出する少年。
『草壁中将と山崎良夫が…………っ!!!』
「あ、ハーリー君、これ、私のオモイカネをハッキングしてますね?」
『え…あ、ご、ごめんなさい…………ってぇ、艦長!!! 今は非常時なんですからそんなことは!!!!!』
最後は涙で訴えるハーリー君と呼ばれる少年。
…気の毒に。
私は心の奥で、彼に冥福を祈った。何となく、彼の人間性がよく分かったような気がする。
「で、山崎良夫と、草壁春樹がどうかしたのですか?」
とルリ再度、聞き返す。
『あ…そう、そうなんですよ!! 殺されたんですよ!! その例の二人が!!! スペースコロニーで死体が………って、あの…………もしもし?』
その事実は、あたりの会話、及び時間を止めるのには十分だった…………………。